開発環境構築
Mac上にiOSアプリの開発環境を構築し、iPhoneやiPadのプロビジョニング(作成したプログラムを実機上で実行するための準備)について解説します。

まず、iOSアプリ開発を行う場合、大前提としてMac OS XベースのPCとiOS Developer Programへの契約登録(有償・年額8,400円)が必須となっています。なお、本コースでは以下の環境でアプリを開発することを前提とします。

 OS  Mac OS X 10.7.4以降(10.8以上推奨) 
 開発環境  Xcode 4.6(iOS SDK 6〜) 

iOSデベロッパ登録

iOSアプリを公開するにはiOSデベロッパー登録が必要です。これから登録方法をご案内します。

★Apple IDの登録

【動画】Apple IDの登録について解説
※画面右下のアイコンをクリックすると全画面表示になります

safariにて下記URLアクセスしてiOS Dev Centerの登録画面にアクセスします。
iOS Dev Centerのトップページにアクセスしたら「register for here」のリンクをクリックします。


「Create an Apple ID.」の画面が表示されますので必要項目を入力してください。
※名前や住所は英語で入力してください。


入力が完了したら画面一番下にある「Create Apple ID」をクリックしたらApple IDの作成が完了します。



iOS Developer Program登録

作成したApple IDでiOS Dev Centerにアクセスしてログインすると下記画面が表示されますので「Learn More」をクリックします。


次にDev Centersの「iOS」のリンクをクリックします。


次に「Enroll Now」のボタンをクリックします。


「Continue」ボタンをクリックします。


「Existing Apple ID」ボタンをクリックします。


次に画面左下にある「Individual」のボタンをクリックします。


次の画面で必要事項を入力して次に進みます。


「iOS Developer Program」のチェックボックにチェックをして「Continue」ボタンをクリックします。


次の画面では入力内容を確認して「Continue」をクリックします。


画面下部の同意のチェックボックスをチェックしてから「I Agree」ボタンをクリックします。


次に「Add to cart」ボタンをクリックします。


ここからはiOS Developer Programの購入手続きになりますので画面の支持に従って入力してください。




最後まで入力しましたら購入手続きが完了します。購入完了のメールが届きます。さらに約24時間後にiOS Developer ProgramのActivateするためのメールが届きます。(それ以降の作業は次項で解説しています。)

iOS Developer Programのアクティベーション

Apple Developer Support(noreply-iphonedev@apple.com)から、以下のようなメールが届いているのを確認し、書かれている「Activation Code」の箇所の16桁のコード部分をクリックします。


(iOS Dev Centerにログインされてない場合)ログイン画面が表示されますのでiOS Developer Programに登録したApple IDでログインしてください。


もし、下記の画面が表示されたら
Activationに失敗している旨のエラーメッセージが表示されています。
その場合はAppleサポートセンサーに電話してください。
Apple World Wide Telephone Support
※日本の電話番号は「0120-9333-88」となっています。
必要な情報はサポートの方が教えて下さいますが、以下のものだけです。
・iOS Developer Programのアクティベーションで失敗したという事
・名前
・折り返し用の電話番号(途中で切れてしまった場合などの為だそうです)
・Apple ID

下記の画面が表示されたらActivationが完了し、iOS Developer Programの登録が完了します。



下記の画面が表示されたら無事登録されている状態です。プロビジョニング作業が行えるようになりました。
次項のXcodeをインストールしてからプロビジョニング作業を行なってください。


★Xcodeのインストール

【動画】Xcodeのインストールの解説
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iOSアプリ開発は、Mac OS XがインストールされたMac上にXcodeをインストールする所から始まります。XcodeとはApple社が提供するIDE(統合開発環境)であり、これにiOSアプリ開発に必要なすべてのツール(iOS SDKなど)がすべて含まれています。
まず、App Store経由でXcodeをダウンロードします。ログインした上で、「Xcode」で検索し、インストールをクリックしてください。


インストールが完了したら、「アプリケーション」フォルダにある「Xcode」をドラックしておきましょう。

【動画】XcodeをDockに登録
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★iOSデバイスプロビジョニング

【動画】iOSデバイスプロビジョニングについて解説
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iOSアプリ開発に使用するiOSデバイス(iPhoneやiPad、iPod Touch)のプロビジョニングを行います。プロビジョニングとは、開発で使用するMacとiOSデバイスの情報をApple社に申告し、Xcodeで作成したアプリを実機で実行するための許諾を得ることです。なお、この作業はあくまで実機上でアプリを実行するために必要なプロセスです。後述しますが、開発段階ではMac上の「iOSシミュレーター」というものを用いて、擬似的にiPhoneやiPadでアプリを検証することもできます。シミュレーターを用いた検証にはプロビジョニングは必要ではありませんが、シミュレーターにはいくつかの制約があるため、プロビジョニングを行うことを強くお勧めします。

★証明書の作成

【動画】証明書作成の解説
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まず、使用するMacの右上にSpotlightという検索窓がありますので、その検索窓に「キーチェーンアクセス」と入力してキーチェーンアクセスのプログラムを起動します。起動したら、メニューバーにて「キーチェーンアクセス」→「証明書アシスタント」→「認証局に証明書を要求…」メニューをクリックします。



「ユーザーのメールアドレス」がApple Developer ProgramのIDと一致していることを確認し、「要求の処理」を「ディスクに保存」に変更します。内容が正しいことを確認して「続ける」をクリックします。


次の鍵ペア情報画面では鍵のサイズが2048ビット、アルゴリズムがRSAになっている事を確認したら「続ける」をクリックします。



ここで、「CertificateSigningRequest.certSigningRequest」という証明書要求ファイルが生成されます。ファイルを保存する場所を聞かれるので、任意の場所に指定してください。

★Certificatesの作成・登録

【動画】Certificatesの作成・登録の解説
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次に、ウェブブラウザを用いてAppleのiOS Dev Centerにアクセスします。
この際、ブラウザはSafariを使用することを強くおすすめします。ログインを行った上で、画面右上にある「Certificates,Identifiers & Profiles」メニューを選択します。このiOS Provisioning Portal、があなたのiOS Developer Programのアカウントに紐づいた開発PCとiOSデバイスを管理するための画面となります。



全体のプロセスをウィザード形式で簡略化するProvisioning Assistantという機能もあるのですが、今回は、管理画面の機能把握の意味も込めて、手動でプロビジョニングを行なっていきます。先ほどの手順で作成した証明書要求のファイル(CertificateSigningRequest.certSigningRequest)と開発に使うiOSデバイスのUDIDを準備した上で、以下の手順に従って登録作業を行なって下さい。

「Certificates」のリンクをクリックします。


左メニューにて「Development」をクリックし、右上にある「+」ボタンをクリックします。


次に「What type of certificate do you need?」という画面がでますので、「iOS App Development」のラジオボタンをクリックして「Continue」ボタンをクリックします。

次に「About Creating a Certificate Signing Request (CSR)」の画面が表示されますがそのまま「Continue」ボタンをクリックします。

「Generate your certificate.」画面が表示されますので「Choose File...」ボタンをクリックして先程作成した証明書ファイル「CertificateSigningRequest.certSigningRequest」を選択し「Generate」ボタンをクリックすればCertificatesが作成されます。
Certificates一覧画面より「Download」ボタンをクリックしてMacにダウンロードしてください。ダウンロードしたファイルをダブルクリックすればキーチェーンアクセスに登録されれば完了です。


★App IDの登録

【動画】App IDの登録
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App IDは、次に行う作業で作成する「プロビジョニングプロファイル」に埋め込まれ、適切な開発者によってアプリケーションがインストールされているのかの認証として機能します。
「App IDs」メニューから「+」ボタンをクリックし、新しいApp IDを作成します。App IDとは、iOSアプリを区別する識別子です。本テキストでは、以下の内容でApp IDを作成します。


次の画面で下記を入力して「Continue」ボタンをクリックしてください。

Description Rainbowapps
App Services   変更なし(Game Center、In-App Purchaseが選択された状態)
App ID Suffix(ラジオボタン)
「Wildcard App ID」のラジオボタンをチェック
 App ID Suffix(Bundle ID欄) com.rainbowapps.* 

次の画面で「Submit」ボタンをクリックすればApp IDの作成は完了です。

★デバイスの登録

【動画】デバイスの登録について解説
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左メニューの「Device」メニューの「All」をクリックし「+」ボタンをクリックします。


次の画面で下記を入力して「Continue」ボタンをクリックしてください。

 Register Device(ラジオボタン)  チェックする
 Name  ※任意で入力(例 rainbow taro iphone) 
 UDID  iTunesでコピーしたiOSのUDIDをペースト 

iOSデバイスUDID情報確認方法

iOSデバイスのUDID(※)を確認します。MacにデバイスをUSBで接続した上で、iTunesを起動します。デバイス一覧から目的のiOSデバイスを選び、「シリアル番号の値」をクリックします。


そうすると、40桁の英数字で構成されるUDIDが表示されるので、この状態で「編集」→「コピー」を選び、クリップボードにコピーしてください。
(※)UDID…世界中すべてのiOSデバイス1つ1つに割り当てられている、英数字40桁の固有識別子。


ここでコピーしたUDIDをiOS Dev Centerにペーストして「Register」ボタンをクリックすればデバイスの登録は完了です。

★Provisioning Profileの作成

【動画】Provisioning Profile作成の解説
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Provisioning Profileには、今までiOS Dev Centerに登録した開発者(Mac)の証明書、App ID、iOSデバイスID(UDID)が埋め込まれており、不正な経路でのアプリケーションのインストールを防止する役割を持っています。

「Provisioning」メニューから「Development」をクリックし、右上の「+」ボタンをクリックして新しいプロビジョニングプロファイルを作成します。プロビジョニングプロファイルとは、iOS Developer Programのアカウント、App ID、開発用PC、開発したアプリを動作させるiOSデバイスに関する情報がすべて紐付けられ、記録されたファイルです。本テキストでは、以下の内容でプロビジョニングプロファイルを作成します。


以降の画面でそれぞれ下記のとおり入力してください。

What type of provisioning profile do you need?の画面  iOS App Developmentのラジオボタンをチェックする 
Select App IDの画面  今回作成したApp IDを選択
Select sertificateの画面  今回作成したCertificateを選択
Select devicesの画面  今回で登録したデバイスを選択
Name this profile and generateの画面  ※任意の名前(開発用のIDとわかるものがよい。"rainbowapps dev"など)

プロファイルの作成処理が完了したら、「XXXXXX.mobileprovision」というプロビジョニングファイルをダウンロードします。「XXXXXXX.mobileprovision」のファイルをダブルクリックし、Xcodeに登録します。



ここまで完了したら、プロビジョニングに関する手順はすべて終了となります。
この状態でアプリを作成し、iOS端末をUSBでMacと接続して実行すればiOS端末にアプリをインストールする事ができます。

この一連の作業で、iOS Developer Programのアカウント、開発用Mac、そして、開発したアプリを動作させるiOSデバイスがすべて紐付けられます。

制作したiOSアプリを実機上で動作させるためには、このプロビジョニングのステップを正確に行うことが非常に重要となります。

上記作業のうち、ひとつでも正常に完了しなかったり、不整合が生じたりしていると、実機上でアプリが実行できません。今後、アプリを実機で作動させる上でプロビジョニングエラーが生じた場合、今一度、上記プロセスを見直してみてください。



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